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■東京加害者臨床研究会
呼びかけ人・草柳和之(現在、当研究会代表)
からのメッセージ
『当研究会立ち上げの趣旨と経緯について』
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心理相談機関“メンタルサービスセンター”では、2001年5月より年1〜2回『DV加害者
心理療法研修会〈土・日〉』を開催、草柳和之(メンタルサービスセンター代表・カウンセ
ラー/大東文化大学非常勤講師)を講師として、DV加害者の変化を促進するための有効な
アプローチを、多くの臨床家に提供してきました。
この研修会は毎回好評を得ており、参加者からは「アドバンスのコースを開催してほし
い」との声を幾度となく聞いてきました。しかし草柳の活動が手一杯で、これ以上の研修
会を開催する余力がありませんでした。
そこで、この状況を打開するために、『DV加害者心理療法研修会』のこれまで参加者、お
よび、今まで草柳と交流のあった方でこの分野に関心ある臨床家に呼びかけ、自主運営で例
会を継続していく研究会を立ち上げることにしました。
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準備を経て2014年5月17日(土)、東京加害者臨床研究会第1回例会の開催が練馬区内の会
場にて実現し、全国から15名の臨床家・研究者等が参集しました。
加害者のアプローチに関する見立てとスキルのレクチャー、面接デモンストレーションの実
演、そして熱き質疑応答が展開されました。
研修会の部の終了後、続いて、会の運営を担う世話人を募り、参加者への対応や通信の役割
として、大学専任講師で臨床心理士の鈴木真吾氏、会計担当としてソーシャルワーカーの
飯田眞理子氏が担当することになりました。研究会例会が3ケ月に一度のペースで行うこと
も決まりました。
会の終了後は、懇親会として10名余りの方々が残り、最寄り駅近くのインドカレー店でチャ
イなどをいただきながら、日頃の援助職としての思いやDV問題にかかわってきた経験など、様
々を1時間余り、思い思いに語り合いました。
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思えば、「加害者臨床」の言葉は、草柳が国の機関の研究紀要(2000年)に執筆した論文で造
語し、使用したのが始まりでした。
それ以降、犯罪・非行などの臨床家の間で徐々に使用されるようになり、「加害者臨床」の
言葉を冠した書籍が刊行されたり、専門誌『現代のエスプリ』で特集テーマとなるなど、当初
の予想を遥かに超えた事態に及び、草柳が使い始めた頃と隔世の感があります。
加害者を変化させるアプローチに関しては、臨床家にとっていまだ敬遠したい空気や、効果に
対する疑念、そして、それゆえに関心のある臨床家の少なさなど、加害者臨床を取り巻く周辺に
多くの困難要素があります。
それらの状況に対して、この研究会の活動が微力ながら一石を投じ、臨床家が加害者臨床にか
かわる際のバリヤーを下げ、日本の臨床家が加害者に対して効果的な面接ができるような“臨床
力”の底上げに貢献していくことを、期待しています。
研究会の運営に携わり、アイデアを出していただける方も、歓迎しています。先取の気風のあ
る多くの臨床家・職種の方が、本研究会の活動に参画されることを願ってやみません。
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